嫉妬も自己愛も皆無「異常」な主人公の物語、芥川賞受賞作「コンビニ人間」読了。
こんにちは、コンビニ店員をしているあかいです。
きっかけ
時間が立ってしまいましたが2016年の芥川賞に輝いた話題のコンビニ人間を読了しました。僕がこの本を読むきっかけは芥川賞ではなく、佐藤優さんの「嫉妬と自己愛」という本でテキストとして扱われていたのがきっかけでした。
感想
読んでみての感想はやはり自分がコンビニ店員をやっているので冒頭の情景描写がとてもリアルでスッと物語の世界に引き込まれました。
そして「嫉妬と自己愛」(著:佐藤優)で感じていた主人公の異常性はある意味で裏切られました。何故かと言うと、僕としてはこの主人公は僕自身も共感できる思考回路をしていると思っていたからです。
結論、僕は自惚れてました、、、
理由はこの主人公、恵子の思考は理解することはできますが共感は一切できなかったからです。恵子を見てると自分がいかに自己愛にまみれた人間なのか、と気付かされました。
【ここからネタバレ含みます】
主人公、恵子はどのような人物なのか
この恵子がどんな人物なのか説明するのは僕としてはとても難しいです。ネットではサイコパスではないかなどの話もありましたが僕もその気は読んでると感じました。
しかしこの恵子は言葉遣いやファッションなどにも気を使い社会から外れないよう努めて生きているのでよく言う危険な人物と捉えられるサイコパスではないです。
見どころでもある恵子の異常性
とはいえやはり違います。ここらへんは異常性を感じられる見どころでもあるとおもいます。
例えば
子供の頃、死んだ小鳥をみて周りの子供は泣いて小鳥を話していました。ところが恵子はおもむろに母親の所へ持っていき「これ、食べよう」「お父さん、焼き鳥好きだから、今日、これを焼いて食べよう」というシーンや
同年代の同性のはどのような服装か調べるために勝手に人のバッグを盗み見たり、親しい人間の人の口調をトレースして無個性を消そうとしたりするシーンなどです。
これらに感情的な葛藤などはありません。小鳥を食べようとしたのも周りのどうするかという話から思い浮かんだことを素直に言っただけ
ファッションや口調を気にしたのも妹や周りに言われたからと社会にうまく溶け込むため。(これは誰でもやっていることだが根本的な思考は違う)
説明が下手でうまくできないのですがやはり一切嫉妬や自己愛から来る欲望で動いているわけではないのです。
終わりに
恵子を見ていると終始、「社会に溶け込んだロボット(人工知能)」や「哲学的ゾンビの 」ようなものを連想していました。別物ですけどね。
そういえばこれは純文学なんですかね。あまり詳しくないので気になる所
(この人と同じシフトだったらすごくやりやすいだろうな)
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